logo 人間総合科学プログラム 大学院人間社会科学研究科

研究・教育

研究・教育

現代社会の抱える諸問題を解明・解決するためには,問題へ直接的にアプローチするだけではなく,その問題の顕在的・潜在的側面の多面的理解が必要です。そのためには,問題と関わる人間について理解すること,問題が生じている地域の特徴やその歴史的背景について理解すること,社会の在り方や環境との相互作用について理解することが重要な課題です。具体的な問題に関連するこれらの潜在・顕在要因を多角的に把握し,それらを俯瞰的に捉えつつも焦点化した研究を行うことで,新たな着想での問題の理解や対応策に結びつくものと思われます。

 現代社会の抱える諸問題を解明・解決するためには,問題へ直接的にアプローチするだけではなく,その問題の顕在的・潜在的側面の多面的理解が必要です。そのためには,問題と関わる人間について理解すること,問題が生じている地域の特徴やその歴史的背景について理解すること,社会の在り方や環境との相互作用について理解することが重要な課題です。具体的な問題に関連するこれらの潜在・顕在要因を多角的に把握し,それらを俯瞰的に捉えつつも焦点化した研究を行うことで,新たな着想での問題の理解や対応策に結びつくものと思われます。

 博士課程後期では,プロジェクトに参加して中核的に研究に携わり,自分のテーマについての研究を深めていきます。また,指導教員の指導のもと関連領域の授業科目を履修することで,研究の幅を広げるとともに複合的な視点から異分野との協働を行う能力をさらに涵養します。

研究プロジェクト

人間総合科学プログラムでは,人文社会学系を基盤として理系の視点や知識を応用して,人間,地域・文化,環境・社会という3つの切り口から現代社会の諸問題を探究する以下の3研究プロジェクトを設けます。

心身と言語研究プロジェクト

本プロジェクトは,人間活動の包括的理解を目的として,人間の心理的活動・身体運動・言語コミュニケーションの3つの分野を中核として社会科学や生命科学,環境科学等との連携のもと,人間の心と身体の仕組みと働き,言語の多様性と普遍性,及びそれらの関連性について解明する研究を行います。

心理分野では,人の心や行動について,生理・認知・臨床・社会の側面を中核として多角的に人の行動についての検討を行います。

身体運動分野は,生理反応と身体運動のメカニズムの解明をはじめ,心理状態と身体運動の相互作用という心身相関の解明を目的とします。

言語分野では,思考やコミュニケーションを可能にする言葉の仕組みや働きを,認知・運動・音声などとの関わりを中核として,人のコミュニケーションについて多角的な研究を行います。

地域と文化研究プロジェクト

科学・情報技術が発展してグローバル化が進む現代社会は,その恩恵によってますます豊かになっています。他方で,社会の様々な場面で歪みと矛盾,格差や軋轢が生じ,乗り越えなければならない多くの課題を抱えつつあります。こうした諸問題に適切に対応するため,それぞれの「地域」が歩んできた歴史と,そこで培われた人間の「文化」に対する透徹したまなざしと深い見識を持ち,それらを通して人間の生を根源まで見据え,人と社会の将来を見通す洞察力や解析力が求められています。また,諸課題に対応するためには,地域や文化を超えて,異なる価値観を有する人々との協働が不可欠です。

本プロジェクトでは,そうした時代の要請に応えるべく,歴史・文学・思想・芸術・倫理・哲学・宗教・行動心理・自然環境など多様な視座から,人間社会を理解し,あるべき未来像の構築を目指して,人間そのものと地域に根ざした文化の研究に取り組みます。

文明と環境研究プロジェクト

環境破壊,人口・エネルギー問題,民族・宗教・国家間の紛争や対立,格差・貧困問題,頻発する自然災害など,現代世界はさまざまな問題や課題を抱えています。これらの諸課題を理解し,克服していくためには,現在の事象のみに目をとらわれることなく,人間の営みの総体としての文明と,人間の生を取り囲む自然・社会環境との複雑な相互関係の観点から,複数の視点と方法を融合させながら粘り強く解明していくことが求められます。また,多様な文明や環境との共存を図りながら問題を解決していくことが,持続可能な対策となるためには必須です。

本プロジェクトでは,宗教,文化,社会,経済等に関わる研究分野の専門性に立脚しつつも,自然科学を含むそれ以外の分野の知見や方法をも取り入れていくことで,ローカル,グローバルなレベルで生起する文明及び文化と環境の複雑な相互作用を分析し,さらにそれぞれの持続可能なあり方を模索することを目指します。